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転職活動中

ネガティブな退職理由を
“前向き”に変換するには?

どう伝える?ネガティブな退職理由

転職を決意した理由や前の会社を辞めた理由は、隠さない方が吉。ですが、かといって正直にそのまま伝えてしまうのも問題なので、伝え方に工夫が必要です。

事実を伝えつつ、どう話せばマイナスイメージを持たれないか、言い換え例を交えて紹介しています。

ネガティブな退職理由、そのまま伝えてもいいの?

「人間関係」をそのまま退職理由として伝えることは避けましょう。採用側には、トラブルを起こしそうな人は避けたいという思いがあるので、加害者はもちろん被害者だと主張する人にも、あまりいい印象は持ちません。

退職理由をポジティブに言い換えるには?

ネガティブな退職理由は、前向きでポジティブな言い換えをしましょう。言い換えの4つの例をご紹介します。

人間関係が原因の場合

人間関係が退職理由だとそのまま伝えてはいけないといっても、全くウソの理由を話すということではありません。まず、悪口に聞こえるようなことは避けます。入社してから、人の悪口ばかり言うようでは困るという印象を持たれます。

トラブルに対して、自分に何かしらの落ち度はなかったのか、もっといい対応はできなかったのか、どうだったら退職に至らなかったのかを考えます。

これらは、「新しい会社では、こういうふうにやっていきたい」という、前向きな言葉で伝えることができますし、トラブルを一方的に相手が悪いと主張するのではなく、起きた出来事を客観的に分析して次につなげていこうとする姿勢となります。

言い換え例

・いじめ/無視

前職は、リーダーの気分によって仕事の流れに波ができることがありました。私は職務時間中は全力で業務に就きたいので、社員一人一人が会社全体を見て、責任感を持って働いておられる御社で、さらなるキャリアアップを図っていきたいと思い、応募いたしました。

・パワハラ<

感情的に怒鳴りつける上司がいて、職場全体の雰囲気が暗く落ち込んでしまいました。職場の女性全員で相談窓口の人に相談しましたが、効果的な対応が見られず、このままここに長くいてもいい仕事はできないと考えて、転職を決意いたしました。

人間関係がフラットで風通しのいい御社で、これまでの分を取り返すべく精力的に業務に取り組みたいと思っています。

労働条件が原因の場合

退職理由が労働条件の場合は、具体的に何時から何時までの勤務が常態化していたとか、月に何日の代休なしの休日出勤があったなど、具体的に数値で示すことが出来れば、納得感が増します。客観的に見て、それはひどいと思える数値であることがポイントです。

不利益の多い労働条件について話す時には、つい、感情的になりやすいので、不満たらたらと聞こえないよう、冷静・簡潔に伝えます。

不満があったとはいえ、前職で身に着けたこともあるでしょうから、そこには感謝を伝えて、「それをもとにさらなるスキルアップを図りたい」と話すことで、印象が悪くなることを避けられます。

「雇用契約書」や「労働条件通知書」の内容と、入社後の「実際の勤務条件が違っていた」は正当な退職理由ですので、正直に説明しましょう。

言い換え例

・労働時間

労働時間は朝の9時から18時まで残業は月10時間まで、という条件で入社しました。最初はその通りだったのですが次第に長くなり、直近ではほぼ毎日、朝の8時半頃から23時過ぎまで勤務。帰宅するのは24時頃という状態でした。

このままでは体調を壊しかねないし、仕事にも集中できないので、転職を決意いたしました。体調を整えて、決まった勤務時間内で最高のパフォーマンスが発揮出来るように努めていきたいです。

・勤務形態

前職でもシフト制でしたが、人手が足りないからと本来のシフト時間以外での勤務が増えてしまいました。そのために生活のリズムがすっかり狂ってしまい、家族にしわ寄せがきている状態です。

給料が原因の場合

給料が安いというだけでは、それは入社時にわかっていたことではと思われてしまい、ここに入社してからも文句を言いそうという印象を与えかねません。頑張った分が給料に反映されないなどの、評価制度と絡めて話すと理解を得やすいです。

給料アップは話さずに、より専門性の高い仕事へのチャレンジということを話して、やる気やキャリアアップの意欲をアピールするのもいいでしょう。

また、家族が増えたとか、祖父母や親の介護施設費用が高くつくなどの、環境の変化による必要経費の増加を理由にするのは、最も波風を立てない伝え方です。退職理由が給料の場合も、長々と話していると不満が湧き上がってきてしまうので、冷静に淡々と話すことが大事です。

言い換え例

・環境の変化

会社がコロナの影響を受けて、収入が大幅に減ってしまいました。結婚を考えているのですが、今の収入では不安です。彼女も働いていますが、十分ではないと思っていたところ、御社の求人を見つけたので思い切って応募いたしました。

評価

昨年度からリーダー職となり、若手社員の指導などを担当しています。原則、残業禁止なので、チームメンバーは定時には退社させなくてはならず、その分を私が肩代わりして残業しています。

業務そのものは、やりがいがあります。しかしやることが圧倒的に増えたにもかかわらず、給料はほとんど変わりません。リーダーにならない方が楽だったのではと、モチベーションが下がってきました。やったことを細かく評価してもらいたいと考えて、転職を決意いたしました。

仕事内容が原因の場合

自分に合った仕事をしたい、仕事にやりがいが感じたい、と主張するのは、伝え方を間違えると、単に、やりたいことだけをやるワガママな人になってしまいます。どうしてそう思うのか、その根拠をきちんと示す必要があります。今のままだと宝の持ち腐れになってしまいそうな資格を持っているなどがあると、伝わりやすいです。

今と違うことをやりたいというのですから、何ができるかは未知数です。新しい会社でどういうことをやり、どういう形で貢献しようと考えているのか、どのように成長していきたいのかを伝えましょう。 今の仕事が合ってないにしても、現職で何かしら身に着けたことがないでしょうか。そこには感謝を示すのが、社会人のあり方です。

言い換え例

・将来性

事務をやってきました。このままではAIに取って代わられるという話を聞いて危機感を持ちました。将来のために情報処理の勉強を始めたところ、すっかりはまってしまい、成長を感じられるこの業界で働いていきたいと強く思うようになりました。

現職でのお客様接待の経験と、数字に強い強みを生かして、費用対効果まで説明できる営業を目指していきたいです。

・やりがい

車の部品を作る工場で働いています。でも車のほんの一部の部品を作って、それを親会社に納品するだけです。

もっとお客様との距離が近い仕事の方が、やりがいを感じられると考えて、営業職への転職を決意いたしました。営業の経験はありませんが、工場で働いていた経験を生かして、コツコツと我慢強く取り組んでいきたいです。

転職理由を考える際に意識すると良いポイント

転職理由を考える際のポイントです。

・決して嘘はつかない。嘘をついての転職は、ミスマッチの原因にもなりかねません。
・現職での経験や、身に着けたものを棚卸して、転職先で使えるものがないか、検証する。異なる職種に転職しても、現職で培ったものを生かせることをアピールする。
・転職先にどのように貢献して、どのようにキャリアアップしていきたいのかを伝える。
・現職での不満が悪口に聞こえないような注意が必要。明確に、短く淡々と。

まとめ

キャリアコンサルタント福島瑛子

国家資格キャリアコンサルタント「福島瑛子」。職業訓練校、ハローワーク勤務を経て、現在はフリーランスとして活動中。

嘘を伝えるのはいけませんが、マイナスな転職理由をそのまま正直に伝えてしまうと、よくない印象を持たれます。悪口を言ってると思われないように注意して、前向きな姿勢と、入社後の貢献を伝えましょう。