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転職前

ここだけはゆずれない!
転職のこだわり条件を整理しよう

転職条件
転職先に求める条件を知ることで、よりアナタに合った会社が見つかるかも

転職を成功させたいのであれば、応募する企業に求める条件の洗い出しから始めましょう。給料はもちろん、待遇や勤務状況、職場の人間関係など、気になっているポイントを書き出して、妥協できるものとそうでないものを分けておくと良いです。

転職の軸となる「条件の種類」

よく確認せずに入社したら、給与が思ったより少なくて生活できないということになると困ります。「給与」は大事な条件です。現職での月収と年収は把握しておきましょう。年収の中にボーナスの他、技能職手当などの各種手当などがあれば、その額も確認します。

一方で、生活するのに必要なお金も把握します。家賃、光熱費、食費などは最低限必要です。家族がいれば、そこに必要なお金も。

現在の給与と生活に必要なお金を比べてみて、現在の収入が維持できればいいのか、それ以上必要なら、いくら位上乗せできればいいのか。譲れる最低ラインはいくらなのかをはっきりさせておきます。

福利厚生

福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生があります。法定福利厚生は、健康保険、介護保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険で、会社に義務付けられています。これ以外のものは各会社で独自に設置するもので、例えば出産育児支援などは全ての会社にあるわけではありません。

一般的に福利厚生が充実している会社は働きやすいともいえますが、規模の小さな会社では実施が難しい面もあります。働き続けるうえで最低どのような福利厚生を希望するかを、明確にしておきましょう。制度があっても使われているかの、取得率も大事なポイントです。

勤務形態

始業・終業時間が決まっている固定労働制の他に、繁忙期・閑散期で労働時間が変わる変動労働制、従業員が時間を自由に決められるフレックス制があります。

IT系などには、労働者本人が勤務時間等を管理するみなし労働時間制が採用されている場合もあるので、注意が必要です。みなし労働時間制は、残業代は発生しません。日勤・夜勤の場合は、夜勤明けの次の勤務形態がどうなっているかも確認を。

固定労働制でもフレックス制やテレワークを取り入れている所も増えてきました。プライベート時間の過ごし方を考慮して、無理のない勤務形態を選びましょう。

会社の方針・人事制度

企業理念や基本方針に共鳴できなければ、モチベーションがあがりません。基本的な経営方針は、確認します。

中途採用の場合は、いきなり仕事を丸投げされて困惑する例もあります。入社後のサポート体制や教育制度も調べておいた方がいいでしょう。

評価制度は、現在年功序列であっても、成果主義に転じる会社が増えていることは頭に入れておきましょう。転勤の有無も要確認です。
管理職になるなら、転勤が必須という会社も多くあります。 上場企業か非上場企業かも判断材料ですが、自分が求めていた働き方ができるかどうかが最も大事です。

こだわりたい条件の優先順位の決め方とは

企業への共感

企業のやろうとしていることが、自分の思いと一致していれば、目標が明確になり、働き甲斐が生まれます。理念や経営ビジョンは、企業のホームページで確認できます。

しかし企業理念は「夢」「感動」といった抽象的な言葉も多くて、他社と似たようなものも少なくありません。同じ言葉を使っていても、実際に取り組んでいることは企業によって違います。

最前線で業務に携わる者としては、経営目標や中短期の経営戦略まで確かめると、実際に自分がやるであろう業務が想像しやすくなります。ホームページや企業情報誌等でわからなければ、面接で聞いてみるのがいいでしょう。

仕事内容の魅力

まず、これまで培ってきた経験やスキル、資格を棚卸しましょう。数字化できるものは数字化します。年間売り上げ達成数とか、前年比○%の効率化を図ったなど。プロジェクトに参加した場合は、参加人数や自分の役割も。

次に応募先の仕事内容に、自分が培ってきたものがどの程度生かせそうかを検討します。経験のない仕事に応募する場合は、応募先の仕事内容で、自分のスキルなどで使えるものがないかを考えましょう。コミュニケーション能力の他、業務効率化、時間管理、マネージメント、情報管理分析力などは多くの仕事で役立つ力といえます。

社風・人間関係

社風・人間関係を考える場合は、両極端な仮説を立ててみると分かりやすいです。ドライな人間関係がいいのか、アットホームがいいのか。仕事は指示された方がいいのか、ある程度自由に進められる方がいいのか。上下関係がはっきりしている方がいいのか、フラットな方がいいのか。男女比はどうか。若い人が多い方がいいのか。

その他、各社員の仕事への姿勢やマナーの程度も、合うあわないがあります。教育制度や人事評価制度も、社風に影響してきます。

社長の経営姿勢は、社風を作る大元です。社長の発信していることは、調べておきましょう。

福利厚生や勤務条件、研修制度の充実

健康・介護保険、厚生年金保険、子ども・子育て拠出金、労災保険、雇用保険などの他に、どういう福利厚生を希望するのか考えましょう。

病気休暇やリフレッシュ休暇などの休暇関連、健康診断や相談機関の設置、社員寮や住宅手当、保養施設、レクリエーション活動の実施、フレックス制やノー残業デーなどの勤務関係、財形貯蓄制度などの財産関係、教育研修制度や資格取得補助などの他、食堂、企業内保育、治療と仕事の両立支援など、会社によって様々です。

あれもこれもというわけにはいきませんから、最低限これは必要というものを明確にします。

※「勤務条件」は、公務員(国家公務員・地方公務員)が勤務する上での雇用条件です。民間の場合は「労働条件」といいます。

転職の軸は「転職活動中」にどう使う?

軸となる条件が出そろったら、優先順位をつけます。絶対に譲れないこと、あるといいけど絶対ではないことに◎や○などをつけてみます。絶対にイヤというものには、×をつけましょう。

応募する求人を決める際には、「絶対に譲れない条件」を満たしていそうな所なら積極的に応募していきます。求人票に書いてある条件は、交渉によって変えられる場合もあります。厳密に希望通りではなくても、希望に近そうであれば、応募してみることをお勧めします。

気を付けなくてはならないのは、志望動機を書いたり聞かれたりする時です。転職理由が、残業や給与であっても、それを一番の動機として伝えると、それさえ満たされたら仕事は二の次なのか、という印象を持たれかねません。軸で考えた会社の理念や、経営方針に沿った方向で、志望動機を伝えることが大事です。

転職の軸は「転職先を決めるとき」にどう使う?

今の仕事を早く変わりたいと切羽詰まっていたり、収入のない状態の不安があると、1つでも内定が出ると即、そこに決めてしまいたくなります。しかしここは、再度転職を繰り返すミスマッチを防ぐためにも、慎重になるべきです。

まず、なぜ転職しようと思ったのか、そこをきちんと思い出しましょう。転職理由は、転職の軸の「絶対に譲れない条件」の一つになっているはずです。そこはきちんとクリアできていますか? 面接等を通して、何か引っかかていることはないでしょうか?

重視していなかったはずの項目で魅力的な条件を提示されると、「絶対に譲れない条件」が、まあいいかになることがあります。「絶対に譲れない条件」がクリアされているのか、その他の条件はどうかを、優先順位順にチェックして、冷静に就職する会社を決めましょう。急がば回れです。

まとめ

キャリアコンサルタント福島瑛子

国家資格キャリアコンサルタント「福島瑛子」。職業訓練校、ハローワーク勤務を経て、現在はフリーランスとして活動中。

ここまでで、転職のこだわり条件を整理することの大切さがお分かりになったと思います。ぜひ取り組んでください。とはいえ、こだわり条件の整理には、自分を客観的に見る視点が必要となります。

自分一人でやるのはなかなか大変です。でも、以下の診断で、自分の価値観に合った働きやすい会社がわかるので、一度試してみてはいかがですか?